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笑わない、その瞳 5

Author: 花室 芽苳
last update Last Updated: 2025-09-03 20:02:26

「じゃあ、これからは俺達がこの席を使わせてもらおうかな? 別に良いよね、眞杉《ますぎ》さんも横井《よこい》さんも」

 良くない。全然良くありませんから、今すぐ別の席に行って貴方の取り巻きと楽しんでてよ!

 本当はそう言いたいけれど相手は自分の上司、そんな反抗な態度ばかり取るわけにもいかず……口の端を引きつらせながら「どうぞ、お好きなように」と言うことしか出来なかった。

 何のつもりなのか、もしかして私に対する嫌がらせのつもりだったりするの? しかし梨ヶ瀬《なしがせ》さんはさっきからニコニコと微笑んでいて、その本音を知ることは出来ない。

 どうしようかと隣を見ると、眞杉さんが慌てた様子で食事を終わらせていて……

「私、お先に失礼しますねっ! 皆さんは、どうぞごゆっくり」

「え、ええ? ちょっと、眞杉さん?」

 そう言って立ち上がり食事のトレーを持つと、急いで返却口へと歩き出して。彼女はそのまま、逃げるように食堂から出て行ってしまった。

 ……私をこんな状況で一人だけにしないでよ、眞杉さん。

 こうなったら私もさっさと食事を終わらせて、ここから離れるしかない。

 そう思って食事を再開しようとすると……

「……また逃げられた」

 梨ヶ瀬さんの隣に座る男性社員がポツリとそう呟いて、がっくりと項垂れてしまった。えっと、逃げられたってもしかして眞杉さんの事?

「おや、残念。さすがにこの反応は、脈無しなんじゃないのかな?」

 先程から変わらない笑顔の梨ヶ瀬さんにハッキリとそう言われて、ますますその男性の頭が下がっていく。これってつまり……この人が眞杉さんの事を、って事よね?

 それにしても、梨ヶ瀬さんとこの男性社員はどういった関係なのだろう? 彼は本社からこの支社に来たばかりのはずなのに、二人はとても打ち解けた関係のようだけど。

 そんな疑問が顔に出ていたのか、梨ヶ瀬さんはそんな私を見て少し首を傾げてみせてこう言ったのだ。

「ん、俺の事が気になるの? 横井さん」

 この人って、絶対性格悪いとしか思えなくない? そんな聞き方をされて「はい」と言ったら、私が梨ヶ瀬さんの事を特別な意味で気にしてるみたいに聞こえるじゃないの。

 梨ヶ瀬さんはきっと、可愛くない部下の私の反応を楽しんでいるに違いない。

 それならば……

「いいえ、全く気にしていません。梨ヶ瀬さんこそ、そんなに私に自分の事を気にして欲しいんですか?」

 ほら、貴方だってこんな言い方をされたら困るでしょう? こんな生意気な女子社員とは、必要以上に関わらないでいようと思ってくださいよ。

そういう意味を込めて、強気で返したつもりだったのに……

「……ああ、うん。多分、そうなのかも?」

「はい……?」

 梨ヶ瀬さんのまさかの答えに、とうとう私の耳がおかしくなったのかと思ったくらいだ。「うーん」と唸りながら考える仕草もわざとらしい、とても真剣に悩んでるようには見えない。

 そろそろ冗談は終わりにして欲しいのだけど、どうやっても私の方が振り回されていて不愉快だし。

 なんとか話題を変えようとあれこれ考えていると、ショックで俯いたままになっている男性社員の存在を忘れていたことに気付がついた。

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